求めるモノ

優子と別れた。

今回、成り行きで僕が既婚者であることを知らせていなかった。
それが僕の今一歩彼女に踏み出せない足かせとなった。

僕たちが、うまくいけば行くほど、その山を越えないといけない。
その山は、僕は本当に越えたいのか？

divorce.

その決断をするのが怖くて、僕は抑えてしまった。
そこまで本気になりかけたし、さらに本気になる予感がした。


けれどだ。
僕は結婚ということで優子を繋ぎとめはしたいが、だからといって彼女と結婚したいわけじゃない。
確かに、少しは、優子との結婚生活を夢見た。

それは、まず彼女は料理ができる。
プロなのだし、そういうことが好きそうだ。
彼女の持つスキルがすべて家庭向けだ。
マッサージまで本格できる。
たくさんある。
馬術の趣味は余計だが。

しかし、結婚生活がそんなことで満たされないことは知っている。
僕は満たされないし、満たされることはあり得ない。
それは、どうしようもないことだ。

僕が京子と一緒になりたかった理由。

ひょっとして・・・

そうなのかも知れないな。