「産む」ということは、僕に現実感がないのかもしれない。
でも、それはどの男も同じような気がする。

うれしさ?

それはある。
あるから、その決断がある。

希望?

それもある。
子供ができるのは楽しみだ。
そしてその生活には希望がある。

不安?

ある。
当然。
色んな清算をしないといけないのだろう。
うまくいかないこともあるだろう。

りか(23)には、僕の意思を伝えてある。


それでも僕はおそらく、りか(23)ひとりを大事にすることはないだろう。

それは僕の男の鉄の意志だ。
如何ともしがたい鋼の意志。


直子と子供を作るのが筋なのだろう。
しかし、彼女との子供はできないし、今後も期待は薄い。
実際は、できないのではなく、要らないのだ。
現に過去に2度もおろされた。

今思えば僕の生命感が、さらに崩れた要因だったのだろう。


なぜ、おろしたのか?
僕は、きちんとした理由を聞いていない。
事実上、彼女の独断だった。

1度目は結婚前だったから、仕方がないかとも思ったが、2度目は結婚後だから、不可解な感じがした。でも、確かにお互い仕事がのってきている状況だったので、その選択もありだなと思った。


水子の霊がいるのなら、僕の写真は賑やかだろう。


僕は霊感があると思うことがある。
頭がおかしいからだとも思う。

僕の友達の島田が自殺した。
前にも少し書いたが、彼は腐っていた。
彼は行方不明になり、僕も探したのだけれど、結局数ヵ月後に山の中で見つかった。

彼は行方不明後、実は、その2日後に練炭で死んでいる。
今年の初夏だった。

彼は僕の夢に現れる。
島田は男前だ。
島田は僕のことを良く知っている。
口には出さないが、僕が誰を引きずっているのか知っていた。

彼の遺書を見せてもらった。
死体の横に走り書きがあったらしい。

おとう、おかあ、めいわくかけてごめんな。
もうあかんわ。
どうにもならへんようになってしまった。
佳代、お父を助けたってくれ。
みんな、うそついててごめんな。


嘘が人間を弱らせるのか。
奥さんの名があったが、奥さんには謝っていない。
島田は島田の奥さんを愛していた。
だから、死んだ。

僕は愛してはいないのだろう。
だから、生きれている。
そう、僕なんか嘘で塗り固められた生活をしているのに、それぐらいで死ぬな、あほ。

前に書いたが、京子を探すためにあちらこちらの学校をサークルを騙って、友達と回った。
その友達が島田である。

今なら彼なら僕の道を示唆してくれるかな。


どうしたらいい、島田?
教えてくれ。
僕が「生」を育めるかな?
お前ができなかったことを。


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