優子が僕にとって京子の身代わりである。
優子と今日も会った。
1時間程度だけど、車の中で優子が買ってきたプリンを2人で食べた。
そして、さっきこんなメールをくれた。
「プリン入りのキス柔らかく甘くてとてもおいしかった。そして、こころが伝わってきたよ。焦らず、優しく長い目で見て欲しい。少しずつでいいから、ほんとに信じれる部分を増やしていきたい。そして、いい笑顔をいっぱい見せたい。色んな顔を見て欲しいなって思う。私もみたいよ。」
僕と優子は愛を育もうとしている。
僕は優子と関わることで、京子との失恋で失ったものを取り替えそうとしているの気がする。
それは、
僕の純粋。
僕の誇り。
僕の涙。
僕の夢。
僕の永遠。
僕の真実。
僕の奇跡を信じる心。
人がわかりあえるのは奇跡だと思う。
錯覚だとも思う。
しかし地球が丸いと、本当に見たことがないのに、みんなそうだと確信している。毛利さんなら、本当だと言えるけど。
でも、毛利さんだって、本当は宇宙に行った気にさせられているだけかもしれない。本当は映画を見させられていただけ。
アメリカ人がいることをアメリカに行ったこともない人が確信している。本当は、ただの色の白い鼻の高い仙台生まれの人たちかも知れないのに。
本当はこの世は日本しかなくて、丸くない地平がずっと続くだけかもしれない。少なくも僕の目にはそうしか見えない。
でも、それらは目にしてなくても、本当なのだ。
だから、僕は人と分かりあうことについて、確かめようがないけれども、分りあえると信じている。
お互いの愛を感じあえて確信することがあると信じている。
僕と京子はそうだった。
そうだったに違いない。
けれど人は変わる。
それまで見えないものが見え、
それまで見えたものが見えなくなる。
京子には、僕の愛が見えなくなった。
僕にもとうとう見えなくなった。
京子と僕が出会ったのは、僕が二十歳をすぎた頃だったと思う。
僕は高校生のときから付き合っていた子と別れ、1年以上が経っていたと思う。それまでは、二股、三股と彼女がいたのに、その1年は、今でいうセクフレしかいなかった。
そして、春になって僕は思い立った。
サークルのビラ配りのふりをして、僕の好きな子を探そう。
いける限りの学校へ行ってやる。
僕は知り合いのサークルのビラを配ってやると行って、ビラを持ってあっちこっちの学校へ、僕の親友と二人で行った。
何校行っただろうか。
10校どころではない。
大阪、神戸、京都、奈良とさんざん行った。
そして、見つけたのが、京子だ。
と言っても、顔しか見ていないのだから、そんなに探し当てたという程でない。
しかし、彼女は女子短大生のもつ特有のけばさを少し持っていた。
にも関わらず僕がアプローチしていくと、何の躊躇もなく、僕を信じてくれた。
僕はすぐにSEXをしようとしたが、それも拒まなかった。
僕は京子からすれば軽く見えたようだ。
けれど憧れの目でも見てくれていた。
僕もそんな京子を外見では憧れで見ていたわけで、お互い自慢の恋人になった。
そして、二人は、二人の世界を作っていった。
いつも二人は一緒だった。
京子には門限があったので、朝から11時まではずっと一緒。
平日は、京子が朝から僕の家に車で来る。
僕を起こす。
二人でどうするか考える。
時には京子の短大へ。
時には僕の大学へ。
時にはそのままSEX。そして寝る。
SEX→短大→大学
というコースが多かった。
お金が二人にが必要になった。
デート費用。
でも、二人はお小遣いをもらっていたので、そんなには要らないけれど、やはり要る。
バイトをすることになった。
二人でバラバラで同じところに面接にいく。
二人で一緒にはなかなか通らない。
しかし二人でとうとう合格する。
二人でバイトをするが、ばれないようにする。
そうすると京子にいい寄る者がでてくる。
逆に僕を好きだという女の子もでてくる。
二人で嫉妬しあったり、その相手に文句を言ったりして、結局ばれる。そしてやめる。
僕は友達が経営するカラオケパブでバイトをし始める。
そこだと、時給もかなり良いから、京子はバイトしなくてもいい。
いつも、ごはんも一緒に食べた。
電話したら、とんででてくれた。
二人でセーラームーンを見て、猫がかわいいと言った。
SEXをほとんど毎日した。
妊娠もした。
二人で名前もつけた。
病院へも二人で行った。
中絶手術の時は、昼間まで一緒にいたが、その後は一緒に入れなかったし、大学へも行く用事があったので一旦離れた。
そして、学校から急いで病院へ行くと、京子はフラフラとなりながら、病院の前を出てきた。
僕は抱きしめた。
「大丈夫か?」
「大丈夫やで。赤ちゃん、今度は産もな」
「そうや。絶対や。」
そして2年が経った。
1年の内に会わない日なんて1日あるかというぐらい会った。
そして京子は就職をした。
僕より京子は若いが短大なので先に就職をした。
と同時に僕は就職活動を開始した。
その辺りから僕達はおかしくなってきた。
まず京子が仕事で飲んでかえるため帰りが遅くなった。
しかも電話をくれない日ができた。
僕は京子を責めた。
しかし、京子は、
「大丈夫。心配せんといて」
というだけだった。
僕は信じたかったが、苦しかった。
僕は東京で就職活動をしだした。
マスコミ関係に就職したかった。
そのことを彼女に言ってもあまり取り合ってくれなかった。
「がんばりや」
それだけ。
だんだん土日も仕事だということで会わなくなってきた。
「もう嫌われてる?」
「そんなことない。今だけ。大丈夫。心配せんでいいから」
僕は就職が決まった頃には、もうほとんど会わなくなっていた。
「東京いかないとあかんねん。どうする?」
「そんなん無理やわ」
「一緒にきて」
「いつかな」
僕は内定を辞退した。
そして大阪に残れる仕事を探し始めた。
そして大阪での仕事が見つかった。
「一緒におれるようになったよ」
「よかったね」
「それだけか?もう嫌いか?」
「そんなことない。好きや」
でも、会うことはほとんどなかった。
そして昔の彼女(直子)と偶然心斎橋で出会う。
僕はその頃、もう無茶苦茶で、ミナミに行ってはナンパみたいなことをして、いきずりの恋を楽しむようになっていた。
直子と京子は、歳は違うが、一人の友達を介して面識があった。
僕と直子は昔付き合っていたので、京子は直子のことが嫌いだった。
で、直子に会ったことを京子に言った。
「会ったよ」
「それで?」
「別に」
「付き合うの?」
「付き合えへんよ」
直子は、その時、僕と別れた後に付き合った男(これは僕の友達)とまだ付き合っていた。
が、その後、数ヶ月で別れる。
ちょっとした相談にものったが、ほとんどどうでも良かった。
京子のことしか頭になかったから。
僕はその頃、直子にも手を出そうとして、逃げられたことがある。
見境がなかった。
1年がたち、僕は就職した。
それでも状況は変わらなかった。
僕は決意した。
僕は外国に行こう。
就職先は海外に支店があった。
そして、海外に赴任させてくれと言った。
僕はすべてを清算したかった。
多くの女の子といい加減な関係を持ち、苦しかった。
京子ともあいまいな関係が続き、海外に行くことで、ついてくるのか、ついてこないのかけりをつけたかった。
そして、会社としても異例の半年で海外駐在が実現する。
「京子、行くで。いつ帰ってくるかわからへんで」
「帰ってきて。待ってるから」
「来てくれたらいいねん」
「そんなんいわれも・・・」
僕はバンクーバへと渡った。
結局、1年半ほどだったが、京子は来ることはなかった。
なんどもの電話のやり取りは、とんでもない電話代になった。
たまにクリスマスなんかは、京子からかけてきてくれた。
それがたまらなく嬉しかった。
でもやっぱり、好きだと言ってくれるが、力のない言葉だった。
その時に、直子は3度も着てくれた。
しかも、そこで僕は直子に手をだしてしまい、妊娠させてしまった。
何度か日本へ帰った。
直子が迎えにきてくれ、京子が送ってくれるという感じだった。
そして、だんだん直子にシフトして行った。
そして、とうとう帰る日がきた。
京子は最後まで迎えには来てくれなかったと思う。
帰ってから何度か京子に会った。
でもあまり僕の顔をじっと見ようともしないし、キスしかしなかった。
そして数ヶ月が経った。
最後は電話だった。
「もうあかんねんな」
「なんで?」
「結局、一回もきてくれへんかったやろ」
「いかれへんかってん」
「そんなわけないやんか」
「・・・・・」
「嫌いか?」
「好きや」
「誰かほかに好きな人がいてる?」
「そんなんいてない」
「そしたら、なんで、冷たいの?」
「そんなつもりはないよ」
「もう。いいわ、もう本当に会わないし、電話しない」
終わった。
楽しい二年と、苦しい三年弱。
そして数年後、今の妻と結婚した。
京子が唯一嫌がった直子と。
優子と今日も会った。
1時間程度だけど、車の中で優子が買ってきたプリンを2人で食べた。
そして、さっきこんなメールをくれた。
「プリン入りのキス柔らかく甘くてとてもおいしかった。そして、こころが伝わってきたよ。焦らず、優しく長い目で見て欲しい。少しずつでいいから、ほんとに信じれる部分を増やしていきたい。そして、いい笑顔をいっぱい見せたい。色んな顔を見て欲しいなって思う。私もみたいよ。」
僕と優子は愛を育もうとしている。
僕は優子と関わることで、京子との失恋で失ったものを取り替えそうとしているの気がする。
それは、
僕の純粋。
僕の誇り。
僕の涙。
僕の夢。
僕の永遠。
僕の真実。
僕の奇跡を信じる心。
人がわかりあえるのは奇跡だと思う。
錯覚だとも思う。
しかし地球が丸いと、本当に見たことがないのに、みんなそうだと確信している。毛利さんなら、本当だと言えるけど。
でも、毛利さんだって、本当は宇宙に行った気にさせられているだけかもしれない。本当は映画を見させられていただけ。
アメリカ人がいることをアメリカに行ったこともない人が確信している。本当は、ただの色の白い鼻の高い仙台生まれの人たちかも知れないのに。
本当はこの世は日本しかなくて、丸くない地平がずっと続くだけかもしれない。少なくも僕の目にはそうしか見えない。
でも、それらは目にしてなくても、本当なのだ。
だから、僕は人と分かりあうことについて、確かめようがないけれども、分りあえると信じている。
お互いの愛を感じあえて確信することがあると信じている。
僕と京子はそうだった。
そうだったに違いない。
けれど人は変わる。
それまで見えないものが見え、
それまで見えたものが見えなくなる。
京子には、僕の愛が見えなくなった。
僕にもとうとう見えなくなった。
京子と僕が出会ったのは、僕が二十歳をすぎた頃だったと思う。
僕は高校生のときから付き合っていた子と別れ、1年以上が経っていたと思う。それまでは、二股、三股と彼女がいたのに、その1年は、今でいうセクフレしかいなかった。
そして、春になって僕は思い立った。
サークルのビラ配りのふりをして、僕の好きな子を探そう。
いける限りの学校へ行ってやる。
僕は知り合いのサークルのビラを配ってやると行って、ビラを持ってあっちこっちの学校へ、僕の親友と二人で行った。
何校行っただろうか。
10校どころではない。
大阪、神戸、京都、奈良とさんざん行った。
そして、見つけたのが、京子だ。
と言っても、顔しか見ていないのだから、そんなに探し当てたという程でない。
しかし、彼女は女子短大生のもつ特有のけばさを少し持っていた。
にも関わらず僕がアプローチしていくと、何の躊躇もなく、僕を信じてくれた。
僕はすぐにSEXをしようとしたが、それも拒まなかった。
僕は京子からすれば軽く見えたようだ。
けれど憧れの目でも見てくれていた。
僕もそんな京子を外見では憧れで見ていたわけで、お互い自慢の恋人になった。
そして、二人は、二人の世界を作っていった。
いつも二人は一緒だった。
京子には門限があったので、朝から11時まではずっと一緒。
平日は、京子が朝から僕の家に車で来る。
僕を起こす。
二人でどうするか考える。
時には京子の短大へ。
時には僕の大学へ。
時にはそのままSEX。そして寝る。
SEX→短大→大学
というコースが多かった。
お金が二人にが必要になった。
デート費用。
でも、二人はお小遣いをもらっていたので、そんなには要らないけれど、やはり要る。
バイトをすることになった。
二人でバラバラで同じところに面接にいく。
二人で一緒にはなかなか通らない。
しかし二人でとうとう合格する。
二人でバイトをするが、ばれないようにする。
そうすると京子にいい寄る者がでてくる。
逆に僕を好きだという女の子もでてくる。
二人で嫉妬しあったり、その相手に文句を言ったりして、結局ばれる。そしてやめる。
僕は友達が経営するカラオケパブでバイトをし始める。
そこだと、時給もかなり良いから、京子はバイトしなくてもいい。
いつも、ごはんも一緒に食べた。
電話したら、とんででてくれた。
二人でセーラームーンを見て、猫がかわいいと言った。
SEXをほとんど毎日した。
妊娠もした。
二人で名前もつけた。
病院へも二人で行った。
中絶手術の時は、昼間まで一緒にいたが、その後は一緒に入れなかったし、大学へも行く用事があったので一旦離れた。
そして、学校から急いで病院へ行くと、京子はフラフラとなりながら、病院の前を出てきた。
僕は抱きしめた。
「大丈夫か?」
「大丈夫やで。赤ちゃん、今度は産もな」
「そうや。絶対や。」
そして2年が経った。
1年の内に会わない日なんて1日あるかというぐらい会った。
そして京子は就職をした。
僕より京子は若いが短大なので先に就職をした。
と同時に僕は就職活動を開始した。
その辺りから僕達はおかしくなってきた。
まず京子が仕事で飲んでかえるため帰りが遅くなった。
しかも電話をくれない日ができた。
僕は京子を責めた。
しかし、京子は、
「大丈夫。心配せんといて」
というだけだった。
僕は信じたかったが、苦しかった。
僕は東京で就職活動をしだした。
マスコミ関係に就職したかった。
そのことを彼女に言ってもあまり取り合ってくれなかった。
「がんばりや」
それだけ。
だんだん土日も仕事だということで会わなくなってきた。
「もう嫌われてる?」
「そんなことない。今だけ。大丈夫。心配せんでいいから」
僕は就職が決まった頃には、もうほとんど会わなくなっていた。
「東京いかないとあかんねん。どうする?」
「そんなん無理やわ」
「一緒にきて」
「いつかな」
僕は内定を辞退した。
そして大阪に残れる仕事を探し始めた。
そして大阪での仕事が見つかった。
「一緒におれるようになったよ」
「よかったね」
「それだけか?もう嫌いか?」
「そんなことない。好きや」
でも、会うことはほとんどなかった。
そして昔の彼女(直子)と偶然心斎橋で出会う。
僕はその頃、もう無茶苦茶で、ミナミに行ってはナンパみたいなことをして、いきずりの恋を楽しむようになっていた。
直子と京子は、歳は違うが、一人の友達を介して面識があった。
僕と直子は昔付き合っていたので、京子は直子のことが嫌いだった。
で、直子に会ったことを京子に言った。
「会ったよ」
「それで?」
「別に」
「付き合うの?」
「付き合えへんよ」
直子は、その時、僕と別れた後に付き合った男(これは僕の友達)とまだ付き合っていた。
が、その後、数ヶ月で別れる。
ちょっとした相談にものったが、ほとんどどうでも良かった。
京子のことしか頭になかったから。
僕はその頃、直子にも手を出そうとして、逃げられたことがある。
見境がなかった。
1年がたち、僕は就職した。
それでも状況は変わらなかった。
僕は決意した。
僕は外国に行こう。
就職先は海外に支店があった。
そして、海外に赴任させてくれと言った。
僕はすべてを清算したかった。
多くの女の子といい加減な関係を持ち、苦しかった。
京子ともあいまいな関係が続き、海外に行くことで、ついてくるのか、ついてこないのかけりをつけたかった。
そして、会社としても異例の半年で海外駐在が実現する。
「京子、行くで。いつ帰ってくるかわからへんで」
「帰ってきて。待ってるから」
「来てくれたらいいねん」
「そんなんいわれも・・・」
僕はバンクーバへと渡った。
結局、1年半ほどだったが、京子は来ることはなかった。
なんどもの電話のやり取りは、とんでもない電話代になった。
たまにクリスマスなんかは、京子からかけてきてくれた。
それがたまらなく嬉しかった。
でもやっぱり、好きだと言ってくれるが、力のない言葉だった。
その時に、直子は3度も着てくれた。
しかも、そこで僕は直子に手をだしてしまい、妊娠させてしまった。
何度か日本へ帰った。
直子が迎えにきてくれ、京子が送ってくれるという感じだった。
そして、だんだん直子にシフトして行った。
そして、とうとう帰る日がきた。
京子は最後まで迎えには来てくれなかったと思う。
帰ってから何度か京子に会った。
でもあまり僕の顔をじっと見ようともしないし、キスしかしなかった。
そして数ヶ月が経った。
最後は電話だった。
「もうあかんねんな」
「なんで?」
「結局、一回もきてくれへんかったやろ」
「いかれへんかってん」
「そんなわけないやんか」
「・・・・・」
「嫌いか?」
「好きや」
「誰かほかに好きな人がいてる?」
「そんなんいてない」
「そしたら、なんで、冷たいの?」
「そんなつもりはないよ」
「もう。いいわ、もう本当に会わないし、電話しない」
終わった。
楽しい二年と、苦しい三年弱。
そして数年後、今の妻と結婚した。
京子が唯一嫌がった直子と。
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